マレーシアの商売事情、マレーシアで成功の秘訣
最近、中国大陸にたくさんある日系工場が次々に東南アジア諸国に移転しているというニュースを見聞きします。たしかに、昨年マレーシアでの結婚式をお手伝いさせていただいた新郎さんも、そんなことをおっしゃっていました。
実はその新郎さん、数年前まで中国にある工場で駐在員をされており、約5年間も上海にお住まいだったそうです。
新郎さんいわく「ここ数年中国から外資が撤退しているのは、明らかに人件費高騰の影響」とのことです。
言われてみれば、私の尊敬する中国人経営者も人件費の高騰について頭を悩ませていました。
工場勤務の従業員の給料は、5年前と比べて1.5倍から2倍になっていると。。。
日本社会が高度経済成長期に経験したことを、いままさに中国社会は同じ道を歩んでいるようです。
一方、日系企業の進出が増え続けているマレーシアはどうでしょう?
以前は製造業の進出が多かったのですが、近年はサービス業・飲食業・IT企業が増えています。
ご存知の通り、マレーシアは多民族国家です。
マレー系65%・中華系25%・インド系その他10%程度となっています。
日本人口1億2千万人と比較しても、マレーシア人口は1/4の3,000万人ほど。
そのため、3K(危険・汚い・キツイ)仕事に対しては、外国人労働者の仕事として捉えています。
ここでいう外国人労働者とは、マレーシア人からみた外国人労働者なので、主にインドネシア人・バングラディシュ人・ネパール人を指します。
雇用する側としても、経験のないマレーシア人を月給10万円で雇うよりも、熟練した外国人労働者を月給5万円で雇う方のがメリットが大きい訳です。
マレーシア人の仕事への向き合い方として、自分の仕事と他人の仕事はハッキリと分けて捉えています。
Aさんの仕事は商品を製造すること、Bさんの仕事はその商品を配達すること、Cさんの仕事はその商品を販売すること。
このように、自分の仕事と他人の仕事を明確に分けているので、日系企業が日本式で従業員を教育しようとすると多くの場合、その壁にぶつかります。
例えば「新人は率先してゴミ捨て、トイレ掃除をする」などの日本的な考え方は理解されません。
そんなことを仕事として命令したら、翌日には出社せずに辞めてしまうことは良くある話です(笑)
彼らにとって「掃除は掃除係りの仕事で自分の仕事ではない」という基本的な考え方があるからです。
では、日系企業がマレーシア人を雇用する場合、どの民族・人材が人気が高いかというと、仕事が早く合理的な考え方をする中華系に集中する傾向があります。
ところが、マレーシアにはマレー系が優遇される政策上の法律がいくつもあるので、公務員のような公共の職場に限らず、民間企業でもマレー系が優遇されています。
ここまでの説明だと「何ともマレーシアで商売をするのは難しい。。。」と思われがちですが、マレーシアは他のアジア諸国に比べて、群を抜いて安全で平易な英語が日常的に使われているのでビジネスがし易いです。
その割に、物価も日本の1/3から1/2くらいなので、初期投資も抑えることもできます。
なおかつ、日本製品や日本文化はマレーシアでも尊敬されていて、日本のものやサービスは一流で他とは違うという認識が広く浸透しています。
日本で商売をするのも、マレーシアで商売をするのも、基本は同じ(ひと・もの・かね)です。
それに付け加えるとすれば、事前の市場調査を徹底して行うことが重要だと思います。
マレーシアは経済成長いちじるしいとっても魅力的な国です。
ぜひ、マレーシアにいらっしゃってください。